不育症についてご存知ですか?
本日は『不育症』について、少し書かせて頂こうと思います。
当院の患者様の中でもいらっしゃいますが、やっと妊娠したと思ったらすぐ流産してしまった、こんなお辛い経験のある方は多いのではないでしょうか。
特に、流産は妊娠初期に一番多く、流産が起こる可能性は5週頃から22週頃まで続き、不育症として扱われるのは5週頃から37週頃までと言われております。
では、この不育症の概念ですが「妊娠はしても、流産・死産を繰り返して生児を得られないもの」と考えられ、2回以上連続するものは反復流産、3回以上連続するものを習慣流産としています。
この「不育症」と「不妊症」、どちらも挙児を希望しているのに得られない、という点が共通していること、原因として考えられる点の中では、実は共通する部分が存在します。
習慣流産(自然流産)においては、1回の妊娠で約15%と、一定数いるわけで、妊娠経験者では、38%と言われています。
では、「不育症」の原因として考えられるものとして、
・夫婦染色体の問題
・胎児染色体の問題
・抗リン脂質抗体の問題
・子宮奇形の問題
・内分泌異常の問題
・血栓性素因やストレスなどその他の因子
が挙げられます。
夫婦間に原因があるものは約3割程度だと言われており、高齢になるほど流産率は上がると言われているのも事実です。
また、妊娠すると、誰でも血液凝固因子が亢進し、血栓症のリスクが妊娠前と比べ、6倍という高い数字が出ています。
ここで大事なことは、そのような傾向がある方はまず検査を受けること、また、治療が必要な場合でもそうでなくても、原因不明、どちらにせよ、鍼灸治療と併用して血液循環を促すこと、母体を安定させることは、少しでも妊娠継続の確率を上げる意味で妊娠後も必要だということです。
要は、治療が必要な場合、薬を用いることが多くなる一方で、副作用も考えられます。
その副作用軽減の意味でも、鍼灸治療を受けて頂くことは母体の助けになるでしょう。